ラベル コロナ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル コロナ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2023年3月3日金曜日

コロナの今後を考える

日本では3割ほどの人がコロナに感染したという昨年のデータがあります。第8波を経過した現在のデータはわかっていませんが、海外の8割という割合には達していないと思われます。

であるなら、ワクチンだけの免疫はハイブリッド免疫よりも弱いので、欧米のように感染対策を撤廃するのは賢明ではありません。一方で、ワクチンを接種してから自然感染するのが良いかと言えば、ワクチンによって後遺症の発生が完全に抑制されるわけではないので必ずしも勧められません。後遺症は、心臓、肺、脳などについての病状の拡大、死亡の上昇によってこれから見えてきます。またハイブリッド免疫でも再感染する場合もあります。

欧米では、日本よりはるかに多い死亡者と後遺症を持つ人の犠牲を伴って、ハイブリッド免疫が成立しているのです。日本では第8波の死亡者がこれまでで一番多く、そのほとんどは
高齢者です

 今後は年に1回のワクチン接種が必要だと思われます。加えて、鼻腔へのスプレー式のワクチンが感染拡大の予防に有効です。

「コロナは終わった」「コロナは普通の風邪になった」というのは、科学的に間違っています。

2022年9月5日月曜日

ハイブリッド免疫

欧米でコロナの感染が収まってきているのに日本の感染者がなぜ多いのか?

その原因は、欧米では自然感染している人の割合が多く、例えば米国では60-80%ほどの人が自然感染しているが、日本は5%(2022年3月時点)ほどであるからです。

最近わかってきたのは、自然感染してワクチン接種をした人は「ハイブリッド免疫」が成立しており、ワクチン接種だけの人より免疫が強いことです。

ワクチンを接種した人でも、口腔、上気道の粘膜での感染の予防効果が弱いので、感染した場合、他者を感染させます。一方、自然感染した人は粘膜での抗体の量が多いので感染しにくいと思われます。

最近、欧米ではだれもマクスしていない、日本人はいつまでマスクしてるのだという発言が多いです。しかし、上記のように状況が違うのです。物事は単純でなくて複雑なのです。

欧米で感染者が多いということは後遺症の人も多いということで、これから深刻な問題になっていきます。だから、ワクチン接種してから自然感染すればよいと考えるのは危険です。ワクチンには後遺症の発生を抑える効果がありますが、完全ではありません。


今後の問題は、ハイブリッド免疫がどれだけの期間維持されるかです。それが弱くなってくると、再び感染が広がってくるでしょう。

急いで必要なのは、現在開発中の鼻へのスプレー式、あるいはウイルスのスパイクタンパク質のアメのワクチン(スプレーでなくて口の中に入れるだけで効果があることがわかった)を早く使えるようにすることです。

2022年8月27日土曜日

多くの動物へのSARS-CoV-2感染が拡大しています

新型コロナウイルスSARS-CoV-2は、コウモリから人間に入ってきたと考えられています。感染が始まった頃に、ネコやイヌなどのペットにも感染するのですか?と問われたことがありましたが、当初、報告はありませんでした。

2021年の2月にイヌでの感染が報告されました。また、デンマークでのミンクの感染、香港のペットショップのハムスターの感染が報道されています。膨大な数のミンクが殺処分されました。

これまでの調査によって、SARS-CoV-2は、23種の動物に感染を広げていることがわかりました。35カ国での報告があります。感染が確認された動物は、トラ、ライオン、ネコ、イヌ、ゴリラ、オジロジカ、ハムスター、ミンク、カワウソ、アリクイ、マナティ、カバなどと幅広いです。

 

各種動物に感染を広げたSARS-CoV-2ウイルスは、変異を繰り返して、再び人間に戻ってくる可能性があります。なかでもネコ、イヌから人間への感染ルートがもっとも危険です。

緊急に必要なことは、SARS-CoV-2を含めて、人間と接触がある動物たちが有していいる全ウイルスのサーベイランスでしょう。動物から飛び越えて人間に感染しうるウイルスはSARS-CoV-2だけでなく多数あります。地球温暖化の影響で人間と動物たちの接触が多くなっていることも気がかりです。

すべての生物はウイルスと共に地球上で進化してきて、共に生きていることは、苦しみも伴うことです。鳥や羊や牛がウイルスに感染した場合、人間は徹底的に殺処分を行うことも。


2022年7月26日火曜日

マスクをすると新型コロナ感染が拡大する??

ネットのコロナ関連のニュースにはとんでもないことが書かれていることが多い。

欧米ではマスクをする人がほとんどいなくなったのに、日本はみんなマスクをしているのに感染者が増えていることから公衆衛生に詳しい医師が考えたという。

「隙間のあるマスクをしている人は逆にエアロゾルを多く排出している可能性がある」  

「マスクをすることで呼吸器系の鼻腔、口腔、肺内、気道の温度が上昇し、排出されるエアロゾル量が増え、より感染が拡大しやすくなっているのではないか」

両者とも科学的根拠が全くない思いつきでしかない。このような記事をのせる記者もこの思いつきを疑うことをしない。

残念ながら、マスクに感染予防の効果がないという方は少なくない。

 

コロナの感染状況は国によって多くのことが異なります。何回も異なる変異ウイルスによる感染の波を経ると、人々がある時点で有している免疫も国により異なります。欧米でマスクをしていないのを見て、日本でもと考えるのは単純すぎるのです。

換気が悪く、人が密集している場所ではマスクの着用によって感染を防ぐことができます。特に夏は冷房を行うので多くの場所で換気がされていません。室外ではほとんど必要がないでしょう。

査読読前の米国の研究者の論文によると、1732人を調べた結果、マスクをしていて感染したのは7%、マスクをしていなくて感染したのは52%であったという。マスクの効果を調べた論文は数多くあります。

2022年7月21日木曜日

エアロゾル中のSARS-CoV-2の感染力はすぐになくなる

SARS-CoV-2の感染者が息をしたり喋ったりするときに排出されるウイルスを含んだエアロゾルを吸い込むことによって感染が起こります。一定量以上のウイルスを吸い込まないと感染が成立しないでしょう。

呼気のエアロゾルの量、および含まれているウイルス濃度は、個人によって100倍以上の違いがあることが知られています。したがって、 感染してエアロゾル量が多い人(スーパースプレッダー)が隣にいるかどうかがポイントになります。

エアロゾルの中のウイルスは、空気中でどのだけの時間、感染力を保っているのでしょうか?

これまでは、空気中で1ー2時間感染力を有しているという報告がありました(回転ドラムを用いた実験による)。したがって、感染者が滞在していた換気が悪い部屋に入ると感染することがあると考えられてきました。
 

より自然状態に近い実験方法を用いて秒単位で調べた結果、エアロゾル中のSARS-CoV-2の感染力はそれほど長くは保たれないことがわかりました。これが正しいならば、私たちが感染を防ぐために注意すべきことがより明確になります。


相対湿度45%未満では、液滴粒子の風解(efflorescence)とよばれる現象により、水分が無くなることで1分以内に感染性がなくなる。

相対湿度90%では液滴
粒子は水分を保ち、ウイルスの安定性は最初の2分間は維持されるが、それ以降は低下し、10分後には10%の感染性しか残らない。液滴内の塩濃度、pHなどが感染力の低下に関係しているようです。ウイルスの変異によってこれらの結果は変わらないという。

感染者から排出されたエアロゾルを数分以内にごく近くにいた人が吸い込むことによって感染が起こると考えられます。湿度が高い環境ではその時間と距離が少し長くなるでしょう。夏の湿度が高い日本と湿度が低い欧米では感染力の低下の時間はかなり違うでしょう。

この結果から考えると、いわゆるソーシャルディスタンスをとることはとても重要です。感染者から離れているほど空気中を移動してくるウイルスが感染力を失ってくるからです。

換気とKF94などのマスクをすること、CO2モニターで換気状態を監視することが要の感染対策です。

2022年7月6日水曜日

勉強不足の専門家が無視しているコロナ後遺症 Long COVID

ここ数日のコロナ感染者数の増加が急激です。8月にピークになるとの予測があったのですが、7月中にピークとなりそうです。感染者が急増するのを防がないといけません。冷房により室内の換気が悪くなることが一番心配です。換気をすると冷房の効果がなくなりますが。

 

「 オミクロンBA.5による感染者数がどれだけ増加しても、入院が必要な重症者や死者が低く抑えられていれば問題はない」という専門家の意見がありました。

オミクロンBA.5に感染しても全員が元通りに快復できればその見方は正しいです。実際、感染した人の半数以上はそうなります。しかし、そうだった人が「コロナは普通の風邪より楽だった」と言ったとしても、それはすべての人に当てはまるわけではありません。

「しかし感染すると軽症であっても後遺症がある場合があるので感染しないように対策をする必要があります」 を付け加える必要があります。

残念ながら、これまで紹介してきたように、このウイルスは体内の様々な所で後遺症を残します。糖尿病、心臓病、骨粗鬆症、アルツハイマー、認知症など多様です。後遺症は感染した人の一部であり、それがわかるのは、感染してからしばらくしてからです。

 

 「少なくても若年者の感染者の症状を見る限り、すでにかぜレベルに近い 」

「BA・5の感染力は従来の派生型と大差なく、第7波をつくることはない。ワクチン接種や治療薬なども出そろい、『ウィズコロナ』の準備ができている。」

この発言は、専門家の肩書きがある二人が述べたもので、新聞にも載っていました。この二人も冒頭の発言の人と同じく、研究論文を読んで勉強していないことがわかります。

BA.5の感染力がこれまでのタイプと大差がないという報告、研究論文があるのだろうか。大差なければ増えないはずです。現行のワクチンによる免疫、以前の変異ウイルスに自然感染した免疫は、BA.5に対しては防御が低下しているという複数の論文も読んでいないようです。

このように誤った発言を掲載する報道に係る人も問題です。科学的な考え方ができるマスコミ関係者はこの国では稀にしかいません。

2022年7月4日月曜日

コロナと骨  COVID-19 can cause bone loss

新型コロナによる自粛で人々が運動不足になり骨粗鬆症の人が増えると言われています。ところが、これまでの複数の研究によりコロナ感染により骨量が減少することがわかってきました。研究はマウスやハムスターを用いて行われています。治療に用いられるステロイドによっても骨の減少が起こりますが、コロナウイルスの感染が骨に影響を与えているのです。

 破骨細胞(骨を破壊し再吸収する細胞)が増加しているという報告があります。コロナ感染により引き起こされる体内の炎症シグナルであるサイトカインが骨代謝の制御を乱すようです。軽度、無症候感染のマウスでも観察されています。

コロナによって骨粗鬆症の人が増加することになります。コロナの後遺症は体内のあらゆる場所で起こっています。新型コロナは、肺炎のウイルス、風邪のウイルスというは完全に誤りです。

日本ではコロナに感染した人は割合はとても低いのですが、ほとんどの人がコロナに感染している国では、さまざまな健康被害がこれから問題になってゆくのは確かでしょう。

2022年7月1日金曜日

第7波 Omicron BA.5 (22B)

 

上のグラフはオミクロンの変異ウイルスが日本でどのように置き換わってきたかを示しています。今年の2月はBA.1(緑)がメインでしたが、BA.2(紫)に置き換わった。そして今、BA.5(水色)が増え始めています。BA.1/BA.2と同じ速度で置き換わるとすると8月にはBA.5がメインになっているでしょう。BA.5で深刻な問題は、ワクチンの免疫による防御が弱くなっていることです。そのため感染者が急増する可能性があります。重症化の程度はBA.1/BA.2と変わらないと意見と、強いという意見があり安心はできません。感染者の総数によっても違うでしょう。

 

新型コロナウイルス(SARS-Cov-1) がどのように進化してきたかの系統図。一番右上の朱色の丸がBA.4, BA.5を示します。このように変異を繰り返して進化しているので、今後、どのような変異が出てくるのは予測できません。人間が感染を広めるほど変異が多くなってゆきます。コロナウイルスを長期間に渡って体内に保持している例が見つかっており、その場合、変異のチャンスが増すことになります。一人の人の体内でも変異が起こるので、多様な(免疫を回避する)変異ウイルスが生じる可能性があります。

世界中でどの種類の変異ウイルスの感染が広がっているかの地図。米国でのBA.4, BA.5の割合が多い。

このようなリアルタイムのデータは、ウイルスの遺伝情報の解読によって得られています。今から20年は、このように早く知ることができなかったデータです。

出典

nextstrain

GISAI による

BAは何の略号なのと訊かれました。通し番号です。

ウイルスは変異を繰り返しているので、新しい変異が見つかると分類するために
 A to Zで命名します。Zまで行くと次は、AA to AZ, BA to BZです。BAが感染力が強く感染を広げて、BA1から始まって、BA2、BA4とBA5変異したわけです。数字はBA.2.75のようにも追加されて行きます。

デルタまでは大きく変異した新たな変異ウイルスが新しい感染を引き起こしてきたのですが、オミクロンの場合は、オミクロンから派生した変異が感染を引き起こすことができるという別の戦略が出てきたわけです。人間の免疫から逃避する方向に進化しています。

2022年6月27日月曜日

スーパースプレッダーが感染源となる

感染者60人を14日間、毎日鼻腔と唾液をサンプリングしてPCRでウイルス量を調べた研究があります。

横軸がウイルス量、縦軸が人数を示します。

感染者によって排出されるウイルス量にかなりの違いがあることがわかります。60人中の6人ほどがスーパースプレッダーに当たるかも知れません。一方、30名ほどの人からはほとんど感染が起こらないのではないかと推測されます。


コロナによる脳後遺症の大規模調査 デンマーク

コロナ後遺症について知るには感染の波が終わって半年以上が経過してから、感染した人と感染しなかった人を比較した大規模調査が必要です。今回、デンマークの結果が発表されました。

2020年2月から2021年11月までのデンマークにおける入院患者および外来患者を調べたものです。ウイルスはアルファからデルタ変異だと推定されます。

コロナの検査を受けた919,731人のうち、感染者では、アルツハイマー病と診断されるリスクが3.5倍、パーキンソン病が2.6倍、脳梗塞が2.7倍、脳内出血が4.8倍でした。コロナウイルスは脳に多面的に影響を残していることがわかります。

後遺症で知りたいことは、ワクチン接種が後遺症の発病に有効かどうかと、オミクロンによる後遺症はデルタなどによる後遺症と違いがあるかです。デンマークでは多くの人が2021年の秋に2回目のワクチン接種を終えていた状況だったので、ワクチンの効果についてはわかりません。オミクロンについては、あと半年結果を待つ必要があります。

2022年6月12日日曜日

適切なコロナの感染対策は何なのか?




このグラフは第1波以来の日本の死亡者の日毎の実数です。第1、第2波での死亡者がいかに少なかったかがわかります。オミクロンが現れた時、この変異ウイルスは弱毒化していると巷では言われていました。ところが第6波の死亡者が飛び抜けて一番多かったのです。昨年の秋にはワクチン接種の2回の接種が全人口の80%ほど終わっていたのにこれだけの死亡者が出たのはオムクロンは3回接種しないと抗体レベルが上がらないからでしょう。



このグラフは、昨年の1月からの人口あたりの感染者数のニュージーランドと台湾と日本のデータです。ニュージーランドと台湾はコロナ対策の優等生と言われていました。島国であるため、厳しい入国制限でこれまで感染を完全に抑えてきたはずです。ところが、対策を緩めた結果がこれです。

人口あたりの感染者数の累積曲線です。ニュージーランドと台湾の人口比感染数が日本を上回っています。韓国も6月から急激に増えました。欧州では、フランス、英国、ドイツ、スウェーデンの順番です。厳重な感染対策を行わずに集団免疫を目指しているとマスコミ上で批判されたスウェーデンの死亡者累計はそれほど多くありません。ロックダウンをした英国と比べても少ないです。

このようなデータを見ると、感染対策がいかに難しいかがわかります。国によって様々な条件が異なります。ある国で有効だった対策が他の国でも有効とはかぎりません。スウェーデンでは初めからマスクをほとんどしていませんでした。 人口密度によって人の接触の頻度が異なると予想されますが、スウェーデンの人口密度は日本の1/19ほどですから、マクスの効果は限定的かもしれません。

さて、これからどうなるのでしょうか?

 

まず必要なのは、何が有効な感染対策であるかをはっきりさせることです。過剰な怖れが引き金になって多くの意味がない対策が取られてきました。

例えば、感染拡大時にも大学の対面授業を行うにはどのような対策が必要かが考えられていたでしょうか。

先に紹介した、米国の大学のキャンパスの各所で空気をサンプリングしてウイルスの量を調べた研究、学内でのすべての感染者のウイルスの遺伝子配列を調べて、誰から誰に感染していたのかを調べた研究などは有効な感染対策を考える上で参考になるでしょう。

希望は、感染の予防効果があるワクチン、どのような変異ウイルスにも効果があるワクチンが開発されることです。来年に接種できることを期待したいです。

不安材料は後遺症です。後遺症はしばらく経過しないと実態がわかりません。

2022年6月3日金曜日

コロナ接触感染の可能性は極めて低い

新型コロナはエアロゾルによる空気感染がメインで接触感染はほとんど問題ではないことをブログで何回も書いてきました。そのことを支持する多くの研究論文は数多くありましたが、実際の生活環境でウイルスの量を定量分析した今回の論文は初めての成果だと思います。

場所は米国の大学で、1年間、学内の多くの場所とバスで空気と表面からサンプリングしてウイルス(SARS-CoV-2)を分析しています。

256の空気サンプル、 517個の表面のサンプルを9ヶ月の間に得ています。ウイルスが含まれていたのはサンプルの1-2%ほどでした。ウイルスが一番多かったはジムです。一方、講義室、食堂、事務室、コーラス練習室、演劇ホールなどではウイルスが検出されませんでした。

感染モデルによって得られたデータを用いて感染の確率を計算したところ、接触感染が起こる可能性は10万分の1で、空気感染の1/1,000でした。接触感染は一本の指に付着したウイルスの全量が例えば鼻の粘膜に接触したと想定しています。空気感染は、ジムでは一定時間、運動を行う時に吸い込む空気量(マスクなし)からどれだけのウイルスを吸い込むかを計算しています。

空気の場合は、否応なしに体内に吸い込まれるが、接触の場合は、手についたウイルスが粘膜と接触しなければならないのでその可能性は高くはないと思われます。

このように空気中のウイルス量を調べるというアプローチは有効でしょう。ただ、局所的な空気の動きで感染が起こることは捉えることができません。



2022年5月7日土曜日

英国における後遺症の統計

日本の新型コロナ感染者数はようやく全国的に減少してきました。死亡者数の減少は続いています。オミクロンのBA.1からBA.2に置き換わっていて、次にはBA.3とBA.4が入ってくるでしょう。これらは感染力が強くなっている変異ですが、病原性が強くなっている可能性があります。3回のワクチン接種に重症化予防効果はあるようです。マスクの着用をやめるとすぐに感染が広がるでしょう。 正しい感染対策の継続が必要です。マスクを着用しなくてよいという方針は完全に誤っています。

問題は後遺症です。どのような割合で後遺症が残るかの数値の様々な報告がありましたが、英国の今年の3月の統計結果を紹介します。

コロナに感染して4週間後でも症状があると報告した人は英国の人口の2.8%で、昨年から徐々に増えています。今年の3月の時点で感染した人に、日常生活に影響があるかを尋ねたところ、32.6%が全くない、48.1%が少しある、19.3%が大いにあるという答えでした。

この数字を見てもウイルスとの共生はできません。感染を避けることが必要です。

 ワクチン接種によって後遺症が軽くなるという報告がありますが、無くなるわけではありません。

2022年4月23日土曜日

コロナウイルスSARS-CoV-2の変異と進化


このグラフは、武漢で新型コロナの感染が始まってから(円の中心から外方向が時間軸)、このウイルスがどのように変異していったかを示しています。世界中の感染者から採取したウイルスの決定された遺伝子配列に基づいて丸をプロットしています。色の違いは変異を生じたウイルスが感染力を強めるなど性質が変化した場合です。

ウイルスが増殖するときにある確率で変異が生じています。同じ色の点は変異が生じてもウイルスの性質に変化はなく同じグループに属すると考えられることを意味している。

円の右側を見ると、オミクロン21K(BA.1)と21L(BA.2)の2つの型の広がりがわかります。21Kのオミクロンが現在、世界中で広がっています。オミクロンの起点をみると初期のウイルスから突然出現していますが、他の型のウイルスは系譜の流れから生じています。

デルタとオミクロン以外のいくつかの変異ウイルスは広がらないで消えています。下の図はその変遷をわかりやすいです。これからどのような変異ウイルスが出現するかは予測ができません。

 図は、https://nextstrain.org/より。クリックすると大きく見えます。

2022年4月22日金曜日

long-COVID 脳の後遺症

世界が「withコロナ」に向かって動き始めている。「コロナを終わりにしないと日本に未来はない」という声があがっています。

欧米の多くの国ではほとんどの感染対策を無くしているのに、なぜ日本はできないのか。 テレビに出てくるウクライナやポーランドの映像ではだれもマスクしていないじゃないかと。

 確かに、経済活動にしても、旅行、観光にしてもこのままでは良くないし、対面での交流を回復したいと誰もが願っている。もう限界だと思っている。

問題は過剰な怖れを人々が抱いていることと、正しい感染対策が行われていないことである。例えば、多数の人が歩いている場所でなければ外を歩く時にマスクは必要でない。対策でもっとも重要なのは換気である。人が集まる場所での換気設備の導入にお金を使うべきあり、そのことを行った国もある。

そして、終わりにできない重要な問題がある。withコロナでは一定の人々の後遺症という健康被害が生じ続ける危険性がある。その治療法はまだわからない。

脳の容積をスキャンで調べた最近の論文の日本語の雑誌解説記事は客観的なデータだ。わたしたちの脳の容積は加齢と共に年に少しづつ減少している。ところが、新型コロナに感染した人を調べると0.1%から2%も減少していた。その変化が脳に機能にどれだけ影響するかであるが、確かに調べてみると差がある。

このデータはデルタ変異についてでオミクロンについてはまだわからない。オミクロンでもデルタのように味覚や嗅覚障害の報告が少ないもののあるので、脳への影響も無視できないだろう。

2022年4月13日水曜日

sneakyなウイルス

ウクライナの状況を日々見聞きしていると時があまりにも早く流れてゆきます。

新型コロナの今後が見えにくくなっています。ひとつは、規制があまりにも長く続いたので人々が解放されたいという願いをこれ以上我慢できないことにあります。欧州ですべての規制を撤廃して、誰もマスクをしていない映像も多く目にします。コロナは普通の風邪になったので検査もしなく共存してゆくという。

ある英文記事で、"SARS-Cov-2 is a sneaky virus."という文を読んだことがある( SARS-Cov-2は新型コロナウイルスの正式名)。sneakyとは「こそこそする 卑劣な」という意味であり正しいと思う。

SARS-Cov-2は言います。

「君たちはやっとぼくたちことがわかったきたね。ぼくたちは普通の風邪ウイルスだったのよ。いろんな対策はすべてあまり意味がなかったんだ。日本人なんてまだみんなマスクをしててバカじゃないの。ワクチンは企業の金儲けのためだったんだよ」

これを鵜呑みしてよいのだろうか?

人口あたりの7日平均の死亡者数の2022年初めからの変化


2022年3月31日木曜日

新型コロナ「エアロゾルでも感染」感染研、見解を変更

この毎日新聞のタイトルですが、感染研の見解はまだ間違っています。「エアロゾルで感染」が正しいのです。そのことは2年前からわかっていました。今になって変更するとは!感染研は極めて特殊な科学者集団であることがわかります。いや、まともな科学者とは言えません。

いくら遅くても、WHOが見解を変更した時点でそれに従うことができたはずです。2020年の7月に「エアロゾル」感染の証拠認識、WHOが見解と報道されています。2021年4月にようやく変更しています。

これまでの誤った感染対策を直ちに訂正することが必要ですが「エアロゾルでも感染」の見解からは訂正しないでしょう。

2022年2月18日金曜日

根拠がない発言

米モデルナの最高経営責任者が次のように語ったと朝日新聞に報道されていたが根拠がない発言だ。このような記事をノーチェックで載せてしまうとは呆れる。

「パンデミックはいま最終段階を迎えていると思うか」と問われ、「妥当なシナリオだ。80%の確率で、オミクロン株が進化するにつれ、新型コロナウイルスの毒性が弱くなる」「残りの20%のシナリオは毒性の強い次の変異株が出現することだ」

オミクロンはデルタが変異して出現したものでないことに留意してほしい。想定外の変異である。オミクロンが変異して弱毒化する保証はない。どのような変異が出てくるかは予想できない。80%にも根拠がない。

2022年2月11日金曜日

感染対策について思うこと(4)

✳️ オミクロンの後遺症について報告がでてきた。喉の痛みや咳が続くという。

✳️  福岡の2月8日のPCR陽性率48.1%ですごいと思っていたら、神奈川は84.9%だった。すると、神奈川県が発表した。「オミクロン株の感染拡大を受け、医療機関等の業務がひっ迫しています。検査数の把握が困難となっていますので、一旦、検査数・陽性率の公表を停止します」

✳️  東京、大阪などでは、コロナでない緊急搬送が困難なほど医療が逼迫している。欧州の国では感染者も入院数も日本と比べて圧倒的に多いのに、病床に余裕があるようだ。日本は準備が足りなかったのではないか

✳️  新型コロナの深刻な問題は、Long COVID 後遺症です。子供たちはコロナに感染しても重症化しないので深刻な問題ではない。ワクチン接種も必要でないのではと議論されている。しかし、子供にも後遺症があるという報告がでてきた。

✳️ デンマーク、フィンランド、スェーデンなどはコロナ規制を解除するという。しかし、この3国の感染状況(下図)を見るともう少し待つべきだ。 

人口あたりの死亡者数が上昇している


2022年2月9日水曜日

感染対策について思うこと(3)

✳️ 多くの県でPCR検査の陽性率が40%を超えており極めてまずい状態だ。その10分1ほどが市中の感染率だと思われる。

✳️ いくつかの県で感染者の減少傾向が見られているが、他の県ではまだ上昇している。減少している県でも高止まりの傾向が見られる。今月中は厳しい状況が続きそうだ。重症化、死亡例がこれから増加するだろう。

✳️ Covidの対策は先を読んで行う必要があるのに、オミクロン感染の当初まだ面の広がりになっていないとか言って対策を疎かにしていた。

✳️「岸田首相はワクチンの3回目接種を「1日100万回」とする目標を掲げた」。自治体の責任者に一番圧力がかかるのかな。2回接種の8ヶ月後で準備していた根拠が明らかでないが、オミクロン変異を警戒し始めた昨年の12月に接種を早める準備ができたはずだ。しかし、首相自らはそのような判断ができる能力はないので、首相あるいは厚労省の周辺にいる人が助言しなければいけなかった。

✳️ 今回使われているコロナのmRNAのワクチンは重症化を防ぐことはできるが、感染を防ぐことができない。鼻腔にスプレーするワクチンがこれまでに考案されている。最初にコロナのmRNAのワクチンを接種した後にスプレーワクチンをすることで、鼻腔の粘膜の免疫応答が強化できるという研究は有望で、人間での臨床テストの結果が待たれる。

✳️ 新型コロナウイルスであるSARS-CoV-2は、コウモリ起源だと考えられているが、他の動物にも感染することができる。これまで、ミンク、ハムスター、オジロジカ(white-tailed deer)などが話題になっている。北米のオジロジカはSARS-CoV-2に感染していて抗体もできているという。このような動物たちが人の感染経路とどのような関係にあるのかはまだわかっていない。