2010年10月29日金曜日

英語の壁(1)

国内の学会で使用言語を英語にするところが増えてきた。アジアを中心とした国外からの参加者を学会に迎えるためには必要なことであり、基本的には賛成である。しかし、日本の院生の参加を考えると問題がある。大学院に入る院生の英語能力は英語化に対応できるレベルではない。TOEICが800点以上であれば問題はないだろうが、そのような人は例外である。


修士の院生を考えると、彼らにはまず日本語での発表練習が必要である。それができるようになってはじめて英語での発表練習がある。英語の発表練習は、発音の指導から始まりたいへん時間と手間を要する。


英語の学会に参加した場合はヒアリング力が問題だ。日本語で聞いてもすべては理解できないのに、英語だとさらに理解が悪くなる。


さらなる問題は質疑応答である。これまで国内の英語による集会で何回も遭遇していることがある。まず質問するのは英語が流暢な人に限られる。しかし、演者が質問を理解できないこと、返答がまもとにできないことも多く、まったく意味がないのである。挙句の果てに海外からの参加者から日本語でやれと言われる。


どうすればよいのか。そのためには、大学1年の時から英語の総合的訓練をする必要がある。 読み書きとヒアリングとスピーチのすべてである。もちろん高校までの英語教育に問題があることは言うまでもない。

2010年10月28日木曜日

おすすめのお店

フランスからのお客さんにのために推薦した福岡のお店(天神、六本松)を書いておきます。
フランス人は日本食の良さがわかるのです。

桜島(六本松) 
イカ活き作り その日に入ったイカを刺身にしてくれる 吸盤がくっつく 海外からの訪問者は必ず連れて行く店  稚加栄のカウンターも良いが下足はあとで揚げる

さくら(六本松) 
学生街のお好み焼き 自分で焼く ベルリンのミツバチ研究で有名なMenzel先生も連れて行って喜んでもらえた ソースの濃い味はアメリカ人も好き

ひらお(天神など) 
安くておいしい天ぷら  庶民的 置いてあるイカの塩辛もおいしい 780円で揚げたてを食べられる 食券式 貝塚にあるが天神東宝ビル1Fにも発見 

ひょうたん寿司 (ソラリア地階) 
回転寿司 並ばないと入れない 実はわたしは未体験

わっぱ食堂(天神) 
家庭料理的定食屋さん 生卵定食もある 赤坂店も 

村岡総本舗(浄水通り) 
佐賀の和菓子屋さん 選んだ和菓子と抹茶をいただける 羊羹で有名ですね

煙草屋(谷) 
木香庵のバー カウンターの一枚板は成田さんの提供  和風の雰囲気がすばらしい 値段は高め ここも必ず海外からの訪問者と行くところ

2010年10月26日火曜日

ところ変われば同じ結果は出ない

ショウジョウバエが絶食下で何時間後に死亡するかは、ハエの栄養状態や遺伝的背景などによって異なります。

ドイツで興味ある話を聞いた。ラボを引っ越してからハエの味覚学習の学習スコアが下がってしまった。原因を調べていくと新しい研究所の餌の組成が良くてハ エの絶食がかかっていないことがわかった。絶食時間を変えて調べてみたところ、20-30%ほどのハエが死ぬ条件で学習スコアが高いことがわかった。つま り空腹であるほど動機づけが強くなるのである。結局48時間の絶食条件で実験していた。

別の話。ドイツのHeisenberg研でフライトシュミレーターの研究をしていた中国からの研究者が帰国し、持ち帰った装置とハエを用いて北京で同じ実験を行った。しかしハエが学習をしない。調べたところ餌の栄養が貧弱であることが原因であることがわかり、その件で論文を書いた。年齢と経験も影響があるが何よりもエサの組成ということです。

2010年10月21日木曜日

科学研究費と国民 

今、書いている文部科学省の科学研究費の申請書で「本研究の研究成果を社会・国民に発信する方法等を書きなさいという項目が今年度から新しく加わった。このことを自覚して申請をしなさいという意義があると思うのだが、実際にその方法を書くのは難しい。たぶん多くの人は、ウエブサイトで公開とか書くのであろうが、、、 私はSSHや エクセレント・スチューデント・イン・サイエンス育成プロジェクト の高校生に実験をしてもらって直接伝えると書いたが、、、

2010年10月12日火曜日

ゴキブリを歩かせる

ある日、福岡の会社から電話があって映画撮影のためにゴキブリの出演を手伝うことになった。なぜ私に依頼があったのかは謎である(ハエ関係ではときどき連絡がある)が、おもしろそうなので引き受けた。でもこんなことを引き受ける研究者はあまりいないかも。福大のラボから10匹のワモンゴキブリをもらった。誠に幸運なことに新入りのAがゴキブリを素手で捕まえるのが平気(得意)であることがわかり助手に採用した。人は見かけによらない。

1週間前に祇園の事務所に出かけ予行練習をする。ホースから出して歩かせようとしたが、一度出演したごきさんは恐怖学習したのか、2度目はいやがってなかなかホースから出てこない。ホースの中を後ずさりしたりターンする。

11日祝日の昼前、本番の日、地下鉄七隈線の駅でayと待ち合わせ、指定されたアパートへ。城南線から細道を入ったところの庶民的なアパートの一室だった。カメラ担当が4名、監督と補助の数名に加えて、メイク担当が4名など総勢12名ほどがいた。

手作りのおにぎりの昼食をいただいてからいよいよ撮影開始。私がごきを放してAが回収するのを何十回と繰り返す。箱を伝わって胸に登り顔まで歩くというのが求められていたルートだったが、カメラの動きに合わせて動かせるなど不可能なので、2匹を時間をずらせて放す。予行練習の時とちがって、ごきさんもテンションがあがっていたのか出演拒否はしなかった。最後はほっぺの上からスタートを繰り返す。

主演男性はさすが度胸が決まっていて眼を開けたままビクともしない。途中、メイクが何回も入る。2時間以上の撮影で50カット以上を撮影して終わり、解放されてごきさんたちと帰途につく。手にはゴキブリの匂いがついたまま。慣れない仕事でかなりエネルギーを消耗しました。でもいちばん疲れたのはごきさんだっただろう。で、役目を終えた彼らのその後の運命はまだ決まっていない。

2010年10月5日火曜日

アカデミック・ハラスメント

FD(Faculty Development)という教員向けの講演・勉強会が10年ほど前から行われています。出席を取られます!今日はアカハラについてでした。アカデミック・ハラスメントは和製英語だそうです。

具体的な事例の紹介もありました。夜遅くとか日曜日まで働くことを強要されるとか、修士の人の研究成果をドクターの人の成果として発表するように言われたが拒否したらいじめにあったとか、進路変更に印鑑を押さなかったとかいろいろです。講座内の教員の人間関係のごたごたに巻き込まれるというのも。

九大の院生へのアンケートでは20%強の方がアカハラを受けたと回答しているそうです。他大学出身者は教員との関係が問題になることが多いとありましたが、どうなんでしょうか。

教員が昔過ごした研究生活のやり方を再現するのは諦めないといけませんね。大学院の定員が増えすぎたことなど時代的な問題もあります。最近の学生は「上手に効率よく教えられることに慣れている」というポイントが意外でした。

最後に話されたコミュニケーションについての5つの注意は他の場面でも大事だと思いました。

1. 一方的でなく、双方向のやり取りを大事にする。
2. 初めから伝えたいことをすべてを話してしまわない。
3. 話し方に注意する。
4. 正論を語るときは気をつける。
5. 言葉と、話し手の気持ちを区別して聴く。

2010年10月1日金曜日

英語の勉強

接頭語を知っていると英語単語の見え方がちがってきます。

例えば、化学物質の構造異性体にcis, transがありますが、 transは不斉炭素の枝の反対側に同じ元素があるものですね。transは「向こうへ」という意味があるからです。transport, translation, transcription, transferなどはそこから意味が類推できます。先に書いた、isogenic, isofemaleに加えて、isotope, isotonicなどもisoから類推できますね。

以下のサイトが参考になります。

http://igakueigo.at.webry.info/200912/article_5.html

http://www.eigono.com/gogen03.htm