2010年10月29日金曜日

英語の壁(1)

国内の学会で使用言語を英語にするところが増えてきた。アジアを中心とした国外からの参加者を学会に迎えるためには必要なことであり、基本的には賛成である。しかし、日本の院生の参加を考えると問題がある。大学院に入る院生の英語能力は英語化に対応できるレベルではない。TOEICが800点以上であれば問題はないだろうが、そのような人は例外である。


修士の院生を考えると、彼らにはまず日本語での発表練習が必要である。それができるようになってはじめて英語での発表練習がある。英語の発表練習は、発音の指導から始まりたいへん時間と手間を要する。


英語の学会に参加した場合はヒアリング力が問題だ。日本語で聞いてもすべては理解できないのに、英語だとさらに理解が悪くなる。


さらなる問題は質疑応答である。これまで国内の英語による集会で何回も遭遇していることがある。まず質問するのは英語が流暢な人に限られる。しかし、演者が質問を理解できないこと、返答がまもとにできないことも多く、まったく意味がないのである。挙句の果てに海外からの参加者から日本語でやれと言われる。


どうすればよいのか。そのためには、大学1年の時から英語の総合的訓練をする必要がある。 読み書きとヒアリングとスピーチのすべてである。もちろん高校までの英語教育に問題があることは言うまでもない。

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