2021年10月19日火曜日

ワクチン接種済みでPCR陰性であれば日本に入国後、公共交通機関を使って帰れるようにしてほしい

このところの私のブログの記事は欧州に行きたいという話ばかりだ。いつになれば外国に行けるかと諸状況を眺めています。

現状は「行きはよいが帰りが怖い」ドイツへの入国はワクチン接種証明書だけでOKです。問題は帰国後の14日間のホテル隔離です。その隔離が感染対策上で意味があればよいのだが。14日間のホテル隔離中に発症した例はあるのだろうか。あるならば、その感染者を発見するにはPCR検査をいつ行えば良いかを考えればよい。


帰国時に空港でチェックインするときに、航空会社のスタッフが書類に問題がないかを念入りにチェックします。特に問題になるのがPCR検査の書類で、国指定の書式に指定された方法で搭乗の72時間内に行われた結果が書かれていないといけない。そのために何万円もかかる。

帰国すると書類の細かいチェック、複数のアプリ*のダウンロードと説明、PCR検査などの多数のブースを順番に周り3時間以上を要するという。

*使えない接触確認アプリのCOCOAもダウンロードさせられる。

この3時間にも及ぶチェックには多くの人手が必要で、担当者は英語も喋れないといけないだろう。しかし、それだけの手間と費用をかける意味はあるのかが疑問だ。

すべてが終れば入国できるが、書類が不備で送還された学生がいるというから怖い。だから航空会社は搭乗時に綿密にチェックする。

入国できたら荷物を受け取り隔離生活にはいる。東京近辺に自宅がない人は、自費で14日間ホテルに滞在しないといけない。帰国した留学中の息子を福岡の両親が車で迎えにいったという話を聞いたことがある。迎えがないとレンタカーを運転するか指定のハイヤーを予約しておく。

空港から公共交通機関を使って移動することを禁止しているのはなぜなのか?帰国前と到着後の2回のPCRで陰性であっても他人を感染させる可能性があるという判断がどのような科学的根拠によるのか理解できない。PCR検査をしていない無症状の感染者が乗車している可能性があるのに、PCR陰性とわかっている人がなぜ乗車できないのか?

もし、機内、あるいは到着後の手続き中に感染したのであれば、到着後の24時間内でウイルスが他人を感染させるほど増殖はしていない。公共交通機関を使って家まで帰るのは問題がない。

 
機内あるいは帰国後に感染した場合、PCRで検出できるほどウイルスが増殖するのを調べるには5日をおけばよいだろう。入国後の4日と7日後に調べればよい。1週間後に陰性であれば、自宅隔離を終了とする。ただ、厳密な隔離生活は必要ないと思う。


一時、日本の入国の空港での検査は抗原テストだったが、その時は多くの感染者がフリーで入国したはずだ。

入国後の対応は帰国者に対する差別、偏見があるとしか考えられない。ワクチンを接種していてPCR陰性であれば入国を認めてよいと思う。入国後は外出時にN95/KF94のマスクの着用を義務づければ普通に生活してよい。

日本の大学に入学することになっている留学生の入国を認めないのも理由がわからない。


ふと発見。Singapore Airlineで福岡-シンガポール-フランクフルトと飛べば、帰国時には福岡に着いて自宅で隔離できることに気がついた。時間はかかるがホテル代の節約ができる。

2021年10月13日水曜日

ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

オランダのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(RCO)の創立125周年を記念して2013年にワールドツアーを行った時の記録映画がとてもあたたかく、感動的だった。

ブエノス・アイレス、ヨハネスブルク、ペテルスブルクを演奏旅行したときの映像であるが、どの都市でもクラシック音楽を愛する人々のドラマがあった。

ブエノス・アイレスでは、コンサートに来ることができなかったチョコレートショップの店員のために二人の団員が店で演奏をするシーンがあった。音楽が癒しであると話をしたタクシードライバーの方も印象的だった。ヨハネスブルクでは
黒人の教師にバイオリンを習う子供たちがいた。団員が普段着で演奏したコンサートは楽しいものだった。

演奏ホールにひとりの団員がいて語るシーンもよかった。コントラバス奏者が楽団に入って初めて演奏したショスタコーヴィッチの交響曲10番について旋律を演奏しながら語った。コントラバスが奏でるこの曲の不気味な旋律には、スターリンの圧政下で怯えて、いつでも逃げられるようにスーツケースを準備していたショスタコーヴィッチの体験が込められていると、
芸術は権力に勝つのだと話をした。

ペテルスブルク公演では、マーラーの交響曲2番「復活」が演奏されたが、一人の年配の男性へのインタビューがまずあった。昔、彼の祖母はマーラー自身が指揮したペテルブルクでの演奏を聴いてマーラーのファンになったという。彼がまだ子供だったスターリンの時代、夜中の2時に踏み込んできた秘密警察に彼の父親が連行された。彼はカザフスタンのスターリンの強制収容所に送られ、その後、15歳のときに、ドイツのハルツ山地の近くのヒトラーの強制収容所に移されたが、生還した人だった。亡命生活の後に祖国に戻り、祖母が愛したマーラーの「千人の交響曲(第8番)」を聴いて胸が震えたという。彼は最愛の奧さんと52年連れ添ったが「私一人が残された、つらいね、だがそれが私の人生」だと語った。

その方が「復活」が演奏されたホールの席にいて、曲が最高の盛り上がりをもって終わったとき彼の頬には一筋の涙が流れていた。

音楽は慰めと生きる喜びをわたしたちに与えてくれる。

 

ペテルスブルグ エルミタージュ美術館の前の宮殿広場  


コロナで旅行にもコンサートにも行けない日々、わたしはベルリンフィルのdigital concert hallで励まされていた。

2021年10月12日火曜日

Aperol Spriz

今から10年ほど前、イタリアのヴェローナの古代の円形劇場のそばにあったカフェのテラス席に座った時、周囲の人が鮮やかなオレンジ色の飲み物を飲んでいるのを見て、あれを下さいと注文して飲んだのがスピリッツとの初めての出会いだった。

オレンジとハーブのリキュールのアペロールをソーダ水とプロセッコ(イタリアのスパークリングワイン)で割ったカクテルが
スピリッツです。スピリッツはイタリアからヨーロッパ中に広まったようだ。最後に飲んだのはドイツの河辺のテラス席だった。

これまで日本でアペロールスピリッツを飲んだことはなかった。ところが、今日、いつも行くスーパーの棚に、アペロールとプロセッコが並んでるのを発見した*。


手にとってみたが買わなかった。やはり、カラッとした夏のヨーロッパのカフェのテラス席で飲みたかったから。それがいつ叶うかがわからないとしても。


*  3週間後に行ってもまだ売れていなかった。新しいものが売れるには何かきっかけが必要なのだろう。

* Sprizについて書いた記事を見つけました。

2021年10月10日日曜日

新型コロナは高血糖を引き起こす

新型コロナウイルスSARS-CoV2がこれからどうなるかを皆が案じている。現行のワクチンの効果が低下し、さらに深刻な病状を引く起こす変異が生じる可能性もある。 望ましい可能性として、COVID-19は季節性の普通の風邪ウイルスになると予言する人がいる。しかし、SARS-CoV2は風邪ウイルスではないので、その予言は当たらないだろう。

SARS-CoV2ウイルスは、ACE2というタンパク質を侵入の手掛かりとしている。ACE2は肺の細胞だけでなく多くの種類の細胞で発現している。脂肪細胞にウイルスが侵入すると、脂肪細胞を制御をしている分子が阻害され、インシュリンによる血糖レベルの調節ができなくなり高血糖になる。(ただし、脂肪細胞のACE2の発現はそれほど高くないのは謎である。)肥満、糖尿病の人がCOVID-19のハイリスクグループである理由はここにある。

肥満でない人も感染によって高血糖になることがあるという。そしてコロナから恢復しても糖尿病を発症することもある。

SARS-CoV2は、脳細胞にも損傷を与え脳の機能に後遺症をもたらすことも知られている。このように多様な影響を与える SARS-CoV2が、呼吸器だけの風邪ウイルスになるとは考えられない。 



Hyperglycemia in acute COVID-19 is characterized by insulin resistance and adipose tissue infectivity by SARS-CoV-2


Cell Metabolism
Available online 16 September 2021


 

 

*感染して入院している人を調べたら多くの人の血糖レベルが高かったので糖尿病の人が感染のリスクグループであるという記事があったが、感染によって糖尿病になることが考慮されていない可能性がある。

2021年10月8日金曜日

新型コロナウイルス対策のための換気システムの見直し

COVID-19の有効な感染対策は適切なマスクの使用と効率的な換気です。飲食店においても効率的な換気が最も重要です。アクリル板の設置は空気の流れを妨げるのでマイナスの効果しかありません。

多くの人が集まる場所の換気システムを見直し更新している国があります。

シンガポールのチャンギ国際空港は空調設備を新しくしたそうです。循環する空気はMERV-14フィルターを通した後にUV-C(遺伝子のDNA, RNAの吸収波長である260 nm近辺の紫外線)照射をしてウイルスを除去します。さらに、人が多い場所にはHEPA(High-Efficiency Particulate Air)フィルターを装着した空気清浄器を設置しています。CO2は500 ppm以下に抑えられているそうです。500 ppm以下という数値はすばらしいです。

ウイルス粒子を除去できるHEPAフィルターとウイルスを不活性化できるUV照射を通す換気システムが、今後の空調の標準になると思います。英国の病院の現場でその効果が確認されています。

 

飲食店で必要なのは、CO2モニター(NDIR方式)を複数台設置して、600 ppm以下になるように換気することです(500 ppm以下にするのは難しいでしょう)。グループの人数制限をするのも有効でしょう。多人数が大声で談笑すると多量のエアロゾルが放出されるからです。他の接触感染、飛沫感染を恐れた対策のほとんどは不要です。飲食にそのものによって感染することはありません。