2021年6月28日月曜日

「まさか入国後に陽性とは…」

 ウルグアイの五輪選手について「まさか入国後に陽性とは…」という新聞のタイトルがあったが、これは「まさか」でなく予想できたことです。ワクチンを接種しても、デルタ変異ウイルスに感染する可能性はワクチンの種類によって違い、中には感染予防率が30%ほどと効果が弱いのがあります。ウルグアイの選手はアストロゼネカのワクチンだった。

同行者に感染者がいれば、機内で離れて座っていても長時間のフライト中に感染した例はこれまでにも報告があります。機内で感染した場合は、到着時の抗原、PCR検査は陰性で、数日したら陽性となる。

ウルグアイの選手が乗ってきたカタール航空のフライトには、他に72人の乗客がいたというが、その人たちの検査はどうなっただろうか。


これまでも日本の空港での水際対策はザルでしたが、さらに緩い対策でオリンピックの入国者が増えてゆけば、東京の感染は悲惨な状況かもしれません。米国からの参加者は専用機で来日し最小の滞在日程とするそうだが、そのような対策をとれない国は多いでしょう。

問題は現在すでに増加傾向にあるデルタ変異ウイルスによる感染曲線にオリンピック効果が加重されると8月にどのような状況(京大の西浦先生の予測です)になるかです。

2月の時は、全国の感染者数が1,000人で緊急事態宣言を解除して2週間後に増加が始まったが、今回は1,500人で解除していてもう増加の傾向がある。

 デルタ変異の感染力の強さについては恐ろしい報告が続いています。また、ワクチン接種のスピードが少し遅くなっていることも悪い知らせです。1回接種が50%(これは独仏などのデータからの予測ですが、デルタがメインの場合は2回接種が50%ほどかもです)を越えないと感染予防の効果が見えてこないでしょう。 

日本はアセトラゼネカのワクチンを使っていなかったのが幸いした。このワクチンは、デルタ変異ウイルスに対する感染予防率が低いからです。

2021年6月7日月曜日

第5波について

感染者ゼロを目指さない日本のやり方では何回でも波がくることを国の責任者はなぜ理解できないのか?これまでの波では毎回、新しい変異ウイルスが主流になっている。

5月中旬から感染者数は下降しているが、緊急事態宣言の解除予定の6月20日にはまだ下がりきれないだろう。第3波の時は全国の感染者が1000人ほどまで下降して解除し、2週間も経たないで再上昇している。少なくとも全国で100人以下になるまで待つ必要があるが緊急事態宣言を延長しないとできない。

デルタ(インド型)変異が日本各地ですでに広がり始めている。アルファ変異より感染力が強いので感染のスピードがかなり早いと予想される。6月20日に緊急事態宣言が解除されてからデルタが増加してきて8月にピークが来るかもしれない。オリンピックの時期に重なる可能性がある。

 
その頃に日本のワクチン接種率が30%ほどになると期待されるのが、感染を抑える効果はまだない。高齢者は接種を終えているので大丈夫だが、65才以下の人を中心に感染が広がるだろう。その波がどれほどの高さになるかはわからない。

人の動きを抑制している状態でワクチン接種率が40%を越える頃から感染は徐々に低下してゆくと推測される。

ワクチンの効果が全くなくなる変異ウイルスが出現するのはまだ少し先だろう。それまでに、あらゆる変異ウイルスに対しても有効な万能ワクチンが開発されることが期待される。



 ワクチンの接種数(上)と感染者数(下)を比較するとワクチンの効果がわかる。共に人口比の数字。