2012年5月24日木曜日

なぜ日本人はどこでも眠ることができるのか?

地下鉄の七隈線で列車が天神南に早朝に到着すると、車内で熟睡して降りない人が頻繁にいて、運転手さんは「終点ですよ〜」と大声をあげている。寝てる人が 起きない場合はドアを閉めてしまう(ワンマン運転なので後方の車両まで起しに行くことはできない)。でも折り返し運転なので5分ほどして反対ホームに 戻ってくる。

 フランスからの訪問者と講義棟を歩いていて教室の横を通った時、後ろのドアが空いていて多くの学生が居眠りをしていた。それを見て彼はおもしろがって写真を 撮っていた。フランスでは講義中、誰一人として居眠りしていなく、もし寝ていたら彼は追い出すと言っていた。講義中に眠られると教師の私は不愉快であるが、先生の話し方が眠くなるとか言われると反省をして色々と工夫をしている。

なぜ、日本人は電車の中で、講義室で、会議中にも眠ることができるのか。国会でテレビ中継の時にさえ議員が居眠りしている。海外の国際会議でも日本人の居眠りは有名だそうだ。いろいろな国から来ていて皆が時差ぼけなのだが、寝ているのは圧倒的に日本人だ。

欧米では車内で居眠するのは危険だ。海外から来た人が東京で車内で寝ている人を見るのはカルチャーショックである。日本は安全だから電車の中でも寝ることができる。でも、海外のラボにいた時、学生が机で寝ているのを見たことがない。なぜだろうといつも思っている。院生たちはラボでは集中して実験してさっさと帰る。日本でも就職して会社の机で寝ていることはないだろうから、緊張感の違いによるかもしれない。

ドイツでのことを思い出した。前夜遅くまで(早朝まで)ディスコで若い人たちが飲んで騒いでいても、翌朝はケロッとしてシンポジウム会場に出てきてトークもちゃんと聞 いているのにはびっくりした。日本人だと、二日酔いで出て来れないとか、出てきてもずっと寝ているだろう。これは生物学的な違いによると思う。

日本人が所かまわず海外でも寝ているのであれば、その主なる原因は睡眠・覚醒(あるいは集中力)に関わる遺伝子に違いにあるのであろうか。おそらくそうではなく社会的な要因によって形成されるのであろう。
 
一方で、サーカディアンリズムを考えるとお昼寝(シエスタ)をすることには生物学的に意味がある。午睡を制度化している高校や会社がある。お昼寝で脳の働きが良くなるのである。その場合、時間は30分以内が良い。それ以上寝ると夜の睡眠リズムに影響する。

私は、新幹線に1時間以上乗っているような状況でないと居眠りできない。それに、欧米に行くフライトではほとんど寝れない。ラボでは土日でだれもいないような時でないと居眠りできない。たぶんいつもは緊張しているのだろう。

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