2018年11月22日木曜日

ドイツの朝は早くて、帰りも早い

ドイツでは朝は5時過ぎに起きて7時半にはラボに行っています。起床してから1時間半以上のゆったりした時を持てるのは、これまでの人生ではなかったことで精神的に充実しています。ゲストハウスからラボまでは歩いて2分ですから1時間以上かかっていた現役時代とは雲泥の差があります。

ゲスハウスの世話をしてくれているおばさんは朝6時から働き始めます。いつも、朝の挨拶をしてくれて、遠くにいる時は手を振ってくれます。彼女はドイツ語しか話さないのですが、この朝の挨拶だけで心が通ってあたたかい気持ちになります。

研究所に着くと朝からロビーでお茶をしている皆さんがいます。朝から優雅だなと最初は思ったのですが、早朝からの仕事を終えての一休みであることがわかりました。

このように研究所は朝早くから始動しています。ラボの秘書の方も朝7時半に来ます。朝早くから働いていた人は早く帰ります。昼過ぎから帰っていく人が見られます。ポスドクの人でも日によって4時には帰る方がいます。子供の迎えをするそうです。

日本であれば、仕事が忙しい時は夜遅くまで働いたり、土日も出て来たりが当然ですが、ドイツの人は夜まで仕事をすることはなく土日も仕事をしません。もちろん、何事にも例外があって土日も来ている人は極少数います。しかし基本は、働く時間が決まっていて、それ以上に働くことはしないのです。だから、彼らが忙しいと言っている状況は、私から見るとまったく忙しいことにはなりません。

不思議なのは金曜日の午後は早く帰る人が多いことです。土日が休みであるなら金曜日は夕方までちゃんと仕事をしようとは考えないのです。ドイツ人にとって日本の過労死(karōshi)は想像もできなくありえないことです。

2018年11月20日火曜日

ドイツ人は冬、リビングでマツボックリを楽しむ?


スーパーの果物売り場の横にマツボックリが売られていました。樹脂で出来ているようにも見えてクリスマスの飾り用かと最初思いました。あるいはお菓子かな?とも。ラボの人に訊ねてみたら本物の松ぼっくりでした。一人の人が言うには、お父さんがいつも買って来てヒータの上に置いていて、開いてから実を食べるそうです。ただ、そのことを知らない方もいました。早速自分も買ってきました。居間に置いて開くを待つことで自然を感じることができる!ような謳い文句が書いてありました。


あ!開いてきたよ!

2018年11月19日月曜日

インドから来た院生

私が座っている場所から見える窓の外の風景
インドのバンガロールにある研究所InStemのラボと共同研究をしている関係で、相手ラボのマスターの学生を2週間ドイツで実験指導することになっていました。その計画は2月にインドに行ったときに決まっていました。

今年の3月にはデリー近郊の研究所の院生を名大で実験指導をしました。退官後にこのように、他の研究者のための手助けができることはとても嬉しいことです。来週にはフランスに行って実験指導をします。海外ではこのようなことを行う垣根が低いと思います。

彼はバンガロールからムンバイに飛びましたが、そこからフランクフルト行きの便に搭乗することができませんでした。なぜなら、前日にゲットしたビザが有効になる日付が1日遅かったからです。ところが翌日の便はなくて、ムンバイに2泊してからドイツに入国できました。彼にとって海外は生まれて初めてで、さらに飛行機に乗ったのも初体験でした。


そのことを聞いて私が大学院生の時に米国に行った時のことを思い出しました。東京の米国大使館で査証を貰ったと思います。警備が厳しかった成田空港に入り、中華航空の米国行きに乗ったのが人生初めての飛行機で、離陸の時に手に汗を握る感じだった。もう着いたのかと思って外を見ると目がさめるように美しい青い海が見えて飛行機を降りた。ホノルル乗り継ぎ便だったのである。緊張して入国審査を受けたことをその時の情景共に覚えている。良き先輩に誘われてUCLAのラボに2週間ほど滞在した初めての海外旅行だった。


2週間という限られた期間でデータを出さないといけないので彼は土日も実験だった。彼はとても頭の回転が早く手も良く動く。私がこれまで接して来た学生の中でもトップレベル!実験データをエクセルでまとめてパワポファイルで持って来たが、データの計算方法が間違っていたので指摘すると15分後に訂正して持って来た。普通の人だと絶対に30分はかかる作業だ!

彼はインドの南部の出身である。インドでは20以上の異なる言語が話されているが、彼の出身はタミル語の地方である。バンガロールの研究所で多くの院生はヒンディー語を話すが彼はさっぱりわからないと言っていた。ヒンディー語がインドの中部、北部で話されるメジャーな言語である。

2週間の滞在で、4種類の実験手法を伝授、指導して大凡の結果が出てよかったです。彼も有意義な体験だったと感謝してくれました。



インドへのお土産にチョコを買いたいというのでスーパーに案内し、ドイツのチョコがどれかを教えてあげました。ドイツのスパーは特にクリスマスの時期なので、いたるところにチョコ売り場があります。ドイツのチョコは種類が多すぎて選ぶのに困ります。もっともポピュラーなmilkaを推しました。レジで板チョコが大量に並べられ合計7000円ほどでした!友達が多いのだそうです。



 



この1週間でマグデブイルグはとても寒くなり、最高温度は10℃以下、最低は零下で霜が降りています。ドイツの冬を体験するのもいいなと思っています。日照時間も短くなってきました。朝ゲスハウスを出るときにはまだ暗く、帰る時にはすでに真っ暗です。ビタミンD不足にならないように紫外線にあたる必要がありますね。