2018年8月17日金曜日

マグデブルグの日々暮らし

8月からドイツで単身生活を始め、研究所で実験をしている。暮らしているマグデブルグは昔、東独だった。かつては司教座が置かれており歴史的に重要な都市であったが、観光名所もほとんどないのであまり知られていない。しかし、理科の教科書に出てくるマグデブルグの半球による実験が行われた場所としては有名である。
 
ただ、近くに大きな空港がないので不便である。日本からの直行便が着くドイツ国内の空港は、フランクフルト、ミュンヘン、デュセルドルフであるが、どこについてもマグデブルグまでは鉄道で4時間ほどかかる。近い大都市はベルリンだが、首都であるにもかかわらず日本からの直行便は飛んでこない。

到着してしばらくドイツも異常気象で暑い日が続いていた。こちらは家に冷房がないのが普通なので、研究所のゲストハウスもめちゃ暑い。ラボの扇風機を借りて来て何とか凌いでいます。電気屋さんに行っても扇風機は売れ切れだそうです。もうひとつの問題は窓に網戸がない(標準仕様)ので開けられません!蒸し風呂で扇風機の状態です!という日が2日続いたのですが、昨夜は涼しくなりました。ところが、窓を開けても虫がほとんど入ってこないことを発見してからは、窓を開放して寝ていました。なぜ虫が少ないかは不明です。

ドイツの朝は早い。6時前から研究所に人が来始め、8時頃が出勤のピークです。朝の7時半に私がゲストハウスを出る時には、掃除をしてくださる優しいおばさんがすでに働いていて、おはよう!の挨拶をしてくれます。朝が早いかわりに帰りも早いです。午後から帰り始める人がいて、研究者も3時過ぎに帰る場合もあります。5時になるとほとんど誰もいません。

日々気がついたことをメモしてみた。


ドイツ初日のランチ!“Kaltschale” “Fruchtkaltschale”とかいうスープです。


メンザにサラダバーがあって20種類ほどの品から選んで重さで料金が決まります!サラダだけで立派なランチになります!写真で緑に見えるのはフェルドザラート(Feldsalat)です。ただこれは冬野菜のはずですが?グリム童話のラプンツェルンはフェルドザラートのことです。フェルドザラートは大好きでドイツに来たらいつも食べてます。香りはほとんどありませんが、ナッツっぽい風味かもです。ビタミンAとC、カリウム、鉄分、葉酸などが豊富だそうです。


今朝、研究所の駐車場に停まっていた東独時代の軍用車!マニアの人が職員にいるんだ!30年以上前のクラシックカー!「トラバント」「トラビ」といって、特別許可を取得した車がベルリンでも多数走っているらしい!でも燃料メーターがないという!メカが単純で自分で修理するらしい。


研究所のロビーには3種の自動販売機がある。それぞれ、サンドイッチ、お菓子と水や炭酸飲料、コーヒーが買える。大きなカップのコーヒーは100円。Dallmayrがドイツではメジャーです。


洗濯機の仕様は国によって違います。ドイツではお湯を使うのが標準で、ドラム式がほとんどです。衣類の種類によって90度まで温度調節するようです。予備洗いがあって本洗があって1時間ほどかかります。インドでは15分ほどですべてが終わっていました。洗濯機メーカーは輸出しようと思ったらお国事情を調査してからでないと売れないでしょう。

ドイツ人は足が長いので、ぼくにとって学食の椅子の高さと階段の大きな段差がたへんです。研究室の椅子は高さの調節ができるから良いのです。階段は日本の1.5段以上の高さがあります。さらに高いのが自転車です。サドルがハンドルと同じ高さでほぼ胸の下の高さにあります。彼らは足が長いうえに足がつかない位置で漕ぎます。借りて乗るのは絶対に無理だと思います。ママチャリのような自転車はありません。




歩いて20分ほどのスーパーに買い出しに。豚肉ミンチの味付けがありますがサンドにして生で食べます。ドイツではちゃんと管理されていて絶対大丈夫です! これまで買った2種類は黒パンでしたが酸っぱくないです。丸い形のが確実に酸っぱいと思います。ぼくは酸っぱくてもまあ平気です。ハムやチーズ、レバーペースト、ジャムを付けて食べるのが普通だと思います。



Plattpfirsichと言って平たいモモです500 gで1ユーロしないです!丸い桃も並んでいます。海外は果物が安くていい。

ビールはほとんどガラス瓶です。そのボトルもペットボトルもアルミ缶もすべて店に持って行って、回収機械に入れるとリファンドされます。中身の水よりもペットボトルの回収料金が高い場合もあります。ビール瓶よりペットボトルの方が高いです。買い物に行くとき空になった瓶をにこまめに持っていかなければなりません。


街中の大聖堂でのパイプオルガンコンサート行って来ました。荘厳な残響があるドームでした。1363年に建設されたドイツ最古のゴシック様式建築で戦争で破壊されて再建したそうです。


 昨日はダーチャ(Datsche)という場所に行きました。外のオープンスペースや屋根があるスペースに椅子が並んでいて子供が遊べる砂場や小さなプール、卓球台があります。家族連れが子供を遊ばせながらゆっくりできます。バーガーと飲み物を売る売店に買いに行って飲食をしながらゆっくり過ごします。ダーチャという言葉を初めて知りましたが、ダーチャはロシアに始まったもので、都会に住む人が郊外の田舎にセカンドハウスがあって週末や休暇を自然の中で農作業をしながら過ごすというものです。それが東独にも広がってきたようです。わたしがいるマグデブルグは東独に属していました。ドイツ全体ではクラインガルテンと呼ばれているようです。昨日行ったのは、昔ダーチャだった場所を改造してお店にしたようです。緑の中にありました。