新型コロナはエアロゾルによる空気感染がメインで接触感染はほとんど問題ではないことをブログで何回も書いてきました。そのことを支持する多くの研究論文は数多くありましたが、実際の生活環境でウイルスの量を定量分析した今回の論文は初めての成果だと思います。
場所は米国の大学で、1年間、学内の多くの場所とバスで空気と表面からサンプリングしてウイルス(SARS-CoV-2)を分析しています。
256の空気サンプル、 517個の表面のサンプルを9ヶ月の間に得ています。ウイルスが含まれていたのはサンプルの1-2%ほどでした。ウイルスが一番多かったはジムです。一方、講義室、食堂、事務室、コーラス練習室、演劇ホールなどではウイルスが検出されませんでした。
感染モデルによって得られたデータを用いて感染の確率を計算したところ、接触感染が起こる可能性は10万分の1で、空気感染の1/1,000でした。接触感染は一本の指に付着したウイルスの全量が例えば鼻の粘膜に接触したと想定しています。空気感染は、ジムでは一定時間、運動を行う時に吸い込む空気量(マスクなし)からどれだけのウイルスを吸い込むかを計算しています。
空気の場合は、否応なしに体内に吸い込まれるが、接触の場合は、手についたウイルスが粘膜と接触しなければならないのでその可能性は高くはないと思われます。
このように空気中のウイルス量を調べるというアプローチは有効でしょう。ただ、局所的な空気の動きで感染が起こることは捉えることができません。
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