2021年9月11日土曜日

『白貂を抱く貴婦人』


2018年のドイツ滞在中に学会に参加するために10年ぶりにポーランドの古都クラクフを訪れた。学会が終わって、レオナルド・ダ・ヴィンチの『白貂を抱く貴婦人』をもう一度、観たいと思って調べてみたら、旧市街の外のクラクフ国立美術館に展示されていた。行ってみるとこの絵を見るためには別料金が必要だった。暗い一室に特別に展示されていて多くの人がいた。

2000年に初めてクラクフに行った時、この絵はチャルトリスキ美術館に展示されていた。その美術館は旧市街の古い建物で、中は狭くてダビンチの作品は普通に並べてあって人もほとんどいなかった。

さて、国立美術館で他の絵を観ていたら懐かしい絵画があった。院生時代、1979年に東京にいた時に「ポーランド国宝絵画展」に出かけた時に一枚の絵葉書を買ってそれ今も持っている。パンタレモン・スジィンドラの「湯浴みをする少女」だった。しかし、その名前で検索してもその画家が出てこない。日本では知られていないようだ。そこで、絵葉書に書いてあった1846-1905という年代で検索して、ポーランドの画家、Pantaleon SZYNDLER のBathing girl, 1885であることがわかった。その絵に42年ぶりに会うことができた。

2018年にダ・ヴィンチの絵が国立美術館にあったのは、チャルトリスキ美術館の改装工事のためだった。10年の工事が終わり2019年に戻ってきたそうだ。今、見るためには予約が必要だという。

1枚の絵画でも、どのような時にどこで観たかによって記憶される思い出が違ってくる。

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