2021年9月3日金曜日

安心はできないが感染者数が下がってきた理由を考えてみた

 

複数の数理モデルの予測では8月の終わりに感染者数がピークアウトするとなっていたが、それがほぼ当たっているようです。

全国の感染者数はこの1週間ほど減少傾向にあります。PCR陽性率、1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す「実効再生産数」の数値も下がってきています。その理由を考えてみました。感染者が減少してもすでに感染している人が恢復するまでに2週間はどを要しますので逼迫している医療状況はしばらく変わりません。死亡者数は増加しています。

感染者減少の理由のひとつはワクチン効果ではないかと思います。9月2日のワクチンの2回接種率は高齢者で87%、全体で 47%です。8月1日は、それぞれ72%と 27%でした。

次に学校、大学の夏休みによって子供たちと若い人の間の感染が抑えられたことです。最後に、8月に入って自宅療養者が急に増大し、感染し重症化しても病院の空きベッドがなくて治療を受けられないという恐怖感による自粛が広がったことです。この3重効果によって感染者数が低下してきたと思います。今後重要なのは、下がり切らない状態で緊急事態を解除すると再び次の波がやってくることです。
 

9月に入り夏休み効果が弱まることで減少のスピードが遅くなる可能性があります。家族内感染がおこると深刻です。子供の感染を防ぐことが重要です。

さらに、7月までにワクチン接種を終えた高齢者の免疫が徐々に低下してゆきますから、11-12月頃から高齢者の感染者が増えてくるでしょう。そうなると3回目のワクチン接種のスピードが問題です。免疫の低下速度は個人差があり、高齢になるほど早いです。3回目の接種後に免疫がどれだけ保たれるかはまだわかっていません。ただ、重症化を防ぐ免疫は長く保持されるようです。

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