2021年1月30日土曜日

(5) どのワクチンを打つかを考えて選びたいが、その余裕はない

ファイザー・ビオンテック、モデルナ、シノバック(中国)、バーラト・バイオテック(インド)の5社のワクチンが先行しています。日本では、ファイザー・ビオンテック、モデルナに加えて、国内で製造するアストラゼネカのワクチンも供給されることになっています。

今週に入り、NOVAVAXとJohnson & Johnsonのワクチン有効性のデータが出てきました。NOVAVAXは遺伝子組み換え技術で合成したウイルスのスパイクタンパク質に独自のアジュバントを用いています。

Johnson & Johnsonはヒトのアデノウイルスを改変してコロナウイルスのタンパク質を作るようにしたものです。これは原理的にはアストラゼネカと同じですが、ベースにしているアデノウイルスの種類が異なります。アストラゼネカは、チンパンジーのアデノウイルスをベースにしていますが、J&Jはヒトのアデノウイルスを改変しています。J&Jの特徴は1回の接種でよいことです。

これだけの種類のワクチンが出てくると、個人の好みによって選びたくなります。日本には
3社のワクチンが入ってきますが選べないでしょう。私としては、この3社でなく、今のところNOVAVAXが良いと思います。その理由は、メッセンジャーRNA(ファイザー・ビオンテック、モデルナ)とアデノウイルスベクターDNAワクチン(アストラゼネカ)は人類が大規模に接種する初めてワクチンであることです。一方、NOVAVAXは、これまで使われてきた(tried-and-tested)タンパク質のワクチンであるので少し安心です。さらに変異体のウイルスに対してもかなり有効だと推測できるからです。(NOVAVAXのは、南アフリカの変異体に対しては効率が低下するという報告が出た。)

日本にもうすぐ納品され接種が始まるのは、ファイザー・ビオンテックのメッセンジャーRNAの製品です。−80℃のフリーザーが各地に置かれるそうですが、NOVAVAXの製品だったら冷蔵庫で保存できます。

おそらく今年中に20種類ほどのワクチンが使えるようになるでしょう。(これまでのテストで、メルク社のを含めて4種類のワクチンが効果がなくて断念されているが、その理由を知りたい。)


 追加  2021.02. 18

Pfizer/BioNTechとModernaのワクチンは、英国と南アフリカの変異ウイルスの対してもおそらく有効であることを示す論文が出ました。

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