2022年4月23日土曜日

コロナウイルスSARS-CoV-2の変異と進化


このグラフは、武漢で新型コロナの感染が始まってから(円の中心から外方向が時間軸)、このウイルスがどのように変異していったかを示しています。世界中の感染者から採取したウイルスの決定された遺伝子配列に基づいて丸をプロットしています。色の違いは変異を生じたウイルスが感染力を強めるなど性質が変化した場合です。

ウイルスが増殖するときにある確率で変異が生じています。同じ色の点は変異が生じてもウイルスの性質に変化はなく同じグループに属すると考えられることを意味している。

円の右側を見ると、オミクロン21K(BA.1)と21L(BA.2)の2つの型の広がりがわかります。21Kのオミクロンが現在、世界中で広がっています。オミクロンの起点をみると初期のウイルスから突然出現していますが、他の型のウイルスは系譜の流れから生じています。

デルタとオミクロン以外のいくつかの変異ウイルスは広がらないで消えています。下の図はその変遷をわかりやすいです。これからどのような変異ウイルスが出現するかは予測ができません。

 図は、https://nextstrain.org/より。クリックすると大きく見えます。

2022年4月22日金曜日

long-COVID 脳の後遺症

世界が「withコロナ」に向かって動き始めている。「コロナを終わりにしないと日本に未来はない」という声があがっています。

欧米の多くの国ではほとんどの感染対策を無くしているのに、なぜ日本はできないのか。 テレビに出てくるウクライナやポーランドの映像ではだれもマスクしていないじゃないかと。

 確かに、経済活動にしても、旅行、観光にしてもこのままでは良くないし、対面での交流を回復したいと誰もが願っている。もう限界だと思っている。

問題は過剰な怖れを人々が抱いていることと、正しい感染対策が行われていないことである。例えば、多数の人が歩いている場所でなければ外を歩く時にマスクは必要でない。対策でもっとも重要なのは換気である。人が集まる場所での換気設備の導入にお金を使うべきあり、そのことを行った国もある。

そして、終わりにできない重要な問題がある。withコロナでは一定の人々の後遺症という健康被害が生じ続ける危険性がある。その治療法はまだわからない。

脳の容積をスキャンで調べた最近の論文の日本語の雑誌解説記事は客観的なデータだ。わたしたちの脳の容積は加齢と共に年に少しづつ減少している。ところが、新型コロナに感染した人を調べると0.1%から2%も減少していた。その変化が脳に機能にどれだけ影響するかであるが、確かに調べてみると差がある。

このデータはデルタ変異についてでオミクロンについてはまだわからない。オミクロンでもデルタのように味覚や嗅覚障害の報告が少ないもののあるので、脳への影響も無視できないだろう。

2022年4月13日水曜日

sneakyなウイルス

ウクライナの状況を日々見聞きしていると時があまりにも早く流れてゆきます。

新型コロナの今後が見えにくくなっています。ひとつは、規制があまりにも長く続いたので人々が解放されたいという願いをこれ以上我慢できないことにあります。欧州ですべての規制を撤廃して、誰もマスクをしていない映像も多く目にします。コロナは普通の風邪になったので検査もしなく共存してゆくという。

ある英文記事で、"SARS-Cov-2 is a sneaky virus."という文を読んだことがある( SARS-Cov-2は新型コロナウイルスの正式名)。sneakyとは「こそこそする 卑劣な」という意味であり正しいと思う。

SARS-Cov-2は言います。

「君たちはやっとぼくたちことがわかったきたね。ぼくたちは普通の風邪ウイルスだったのよ。いろんな対策はすべてあまり意味がなかったんだ。日本人なんてまだみんなマスクをしててバカじゃないの。ワクチンは企業の金儲けのためだったんだよ」

これを鵜呑みしてよいのだろうか?

人口あたりの7日平均の死亡者数の2022年初めからの変化


2022年3月31日木曜日

新型コロナ「エアロゾルでも感染」感染研、見解を変更

この毎日新聞のタイトルですが、感染研の見解はまだ間違っています。「エアロゾルで感染」が正しいのです。そのことは2年前からわかっていました。今になって変更するとは!感染研は極めて特殊な科学者集団であることがわかります。いや、まともな科学者とは言えません。

いくら遅くても、WHOが見解を変更した時点でそれに従うことができたはずです。2020年の7月に「エアロゾル」感染の証拠認識、WHOが見解と報道されています。2021年4月にようやく変更しています。

これまでの誤った感染対策を直ちに訂正することが必要ですが「エアロゾルでも感染」の見解からは訂正しないでしょう。

2022年2月18日金曜日

根拠がない発言

米モデルナの最高経営責任者が次のように語ったと朝日新聞に報道されていたが根拠がない発言だ。このような記事をノーチェックで載せてしまうとは呆れる。

「パンデミックはいま最終段階を迎えていると思うか」と問われ、「妥当なシナリオだ。80%の確率で、オミクロン株が進化するにつれ、新型コロナウイルスの毒性が弱くなる」「残りの20%のシナリオは毒性の強い次の変異株が出現することだ」

オミクロンはデルタが変異して出現したものでないことに留意してほしい。想定外の変異である。オミクロンが変異して弱毒化する保証はない。どのような変異が出てくるかは予想できない。80%にも根拠がない。

2022年2月11日金曜日

感染対策について思うこと(4)

✳️ オミクロンの後遺症について報告がでてきた。喉の痛みや咳が続くという。

✳️  福岡の2月8日のPCR陽性率48.1%ですごいと思っていたら、神奈川は84.9%だった。すると、神奈川県が発表した。「オミクロン株の感染拡大を受け、医療機関等の業務がひっ迫しています。検査数の把握が困難となっていますので、一旦、検査数・陽性率の公表を停止します」

✳️  東京、大阪などでは、コロナでない緊急搬送が困難なほど医療が逼迫している。欧州の国では感染者も入院数も日本と比べて圧倒的に多いのに、病床に余裕があるようだ。日本は準備が足りなかったのではないか

✳️  新型コロナの深刻な問題は、Long COVID 後遺症です。子供たちはコロナに感染しても重症化しないので深刻な問題ではない。ワクチン接種も必要でないのではと議論されている。しかし、子供にも後遺症があるという報告がでてきた。

✳️ デンマーク、フィンランド、スェーデンなどはコロナ規制を解除するという。しかし、この3国の感染状況(下図)を見るともう少し待つべきだ。 

人口あたりの死亡者数が上昇している


2022年2月9日水曜日

感染対策について思うこと(3)

✳️ 多くの県でPCR検査の陽性率が40%を超えており極めてまずい状態だ。その10分1ほどが市中の感染率だと思われる。

✳️ いくつかの県で感染者の減少傾向が見られているが、他の県ではまだ上昇している。減少している県でも高止まりの傾向が見られる。今月中は厳しい状況が続きそうだ。重症化、死亡例がこれから増加するだろう。

✳️ Covidの対策は先を読んで行う必要があるのに、オミクロン感染の当初まだ面の広がりになっていないとか言って対策を疎かにしていた。

✳️「岸田首相はワクチンの3回目接種を「1日100万回」とする目標を掲げた」。自治体の責任者に一番圧力がかかるのかな。2回接種の8ヶ月後で準備していた根拠が明らかでないが、オミクロン変異を警戒し始めた昨年の12月に接種を早める準備ができたはずだ。しかし、首相自らはそのような判断ができる能力はないので、首相あるいは厚労省の周辺にいる人が助言しなければいけなかった。

✳️ 今回使われているコロナのmRNAのワクチンは重症化を防ぐことはできるが、感染を防ぐことができない。鼻腔にスプレーするワクチンがこれまでに考案されている。最初にコロナのmRNAのワクチンを接種した後にスプレーワクチンをすることで、鼻腔の粘膜の免疫応答が強化できるという研究は有望で、人間での臨床テストの結果が待たれる。

✳️ 新型コロナウイルスであるSARS-CoV-2は、コウモリ起源だと考えられているが、他の動物にも感染することができる。これまで、ミンク、ハムスター、オジロジカ(white-tailed deer)などが話題になっている。北米のオジロジカはSARS-CoV-2に感染していて抗体もできているという。このような動物たちが人の感染経路とどのような関係にあるのかはまだわかっていない。