2021年4月19日月曜日

インドで感染者急増 新しい2重変異コロナウイルスB.1.617

インドの友人の320日のメールでは、数週間前に感染者が落ち着いてきたので研究所は研究活動を全開にすると決めた直後にまた感染者が急増してきたとあった。インド行きが遠のいた!

 

増加は異常なほど急である。おそらく一番の原因は安心してマスクを外してしまったことだろう。これはB.1.617変異系統によるもので、E484QL452Rの2重変異を有している。インドで12月7日に見つかっていた*。この変異によって感染力が強くなっているようで、現行のワクチンの効果は弱いようです。インドではワクチン接種が全国民の10%ほどになっているが効果はないようだ。インドでは昨年9月をピークとする感染で抗体を有している人の割合が高いと思われたが、B.1.617変異系統には効果がないようだ。

 

この変異ウイルスはすでに世界各地に拡散し始めている。英国では2月に発見されている。ニュージーランドはインドからの入国をすべて禁止した。ニューデリーから香港に到着した飛行機で47人の感染者が到着後の12日間の隔離待機後に見つかっている**。416日の日本の空港検疫でインドから乗客7人の陽性者が確認されているが、この変異コロナに感染していたと予想される。

 

世界中で変異ウイルスが生まれており、私たちは警戒をしばらく緩めることはできない。オリンピックで世界中の人が日本に来れば、まさに変異コロナウイルスのオリンピックが日本で始まることになる***。

 

* インドも英国に倣ってSARS-CoV2の遺伝子配列の決定を積極的に行っている。この変異ウイルスが生じてから3ヶ月後に、人々が警戒を緩めたとたんに拡散を始めている。同様に集団の中に潜んでいる変異ウイルスが存在することを警戒する必要がある。日本は水際対策が甘いので、すでに各種の変異ウイルスが入り込んでいる。中でも注意すべきは現行のワクチンが効かない変異体である。新たなワクチンの開発状況も政府は把握してほしいのだが、、

 

** Vistara flight UK6395 飛行機の客室の空気は効率よく換気されていると言われているが、47人の多くは機内で感染したのだろう。座席表を見ると怖しい。全員がマスクをしていたと思われるがそれでも感染したのだろうか?感染者は横並びの席の場合が多いが、前後の席でも起こっている。搭乗時にどの席の何人が感染していたかを知りたい。いずれにせよ、この変異ウイルスの感染力が高くなっている。

 

*** ワシントンでの記者会見で、菅首相が、ロイターの記者のオリンピック開催できるのか?という質問を完全に無視して、日本の記者を指名するとは!質問を無視するのは日本ではいつもやっていたけど、海外ではありえない!

 

4/24 追加  インドの看護研修生がパリに着いてからバスでベルギーに移動したが43人中20名が感染していることが研修地でわかった。 スーパースプレッダーによる感染かもしれないと報道されているが、香港の事例からすると、2重変異ウイルスの感染力が強いことによると考えられる。パリについたフライトとバスの乗客を調べる必要があるが、すでにフランスで広がり始めたかもしれない。同様のことが世界中で生じているだろう。

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