2020年12月1日火曜日

PhDのラボの選びかた

日本では、学部4年目の卒業研究、修士課程、博士課程を同じラボで行うのが普通です。修士、博士の段階でラボを変えることもできますが、特に博士で変わる場合は研究内容が変わり、新たな出発になるのでデメリットがあります。実際、卒論での発見を発展させて博士論文になった例が私のラボで何回もありました。学振のDC1の申請は修士の2年次に行いますが、その時に新しいラボのテーマで申請するのは簡単ではありません。

しかし、このような囲い込みは海外では一般的ではありません。まず、研究は博士課程で初めて本格的になります。もう一つの大きな違いは、博士課程は給料をもらって行うものである。日本のように授業料を払うのは、ありえない状況です。

ある時、英国の地方大学で私の知り合いがPIをしているラボのポルトガル出身の女性のPhD院生と、ここのラボをどうして選んだの?と話していた。

博士コースのラボを選ぶのを支援するグラントをもらって、世界中のいくつかのラボに滞在して決めたという。欧州、英国、米国、オーストラリアのラボ(ほとんどが私が知っているラボだった)に長い場合は一月(全旅程で数ヶ月)も滞在したという。

航空運賃、滞在費などすべてそのグラントが持ってくれるのだという。そのグラントはラボを決めないで、ラボローテを世界的にすることを含めてPhDコースを支援するグラントだと思います。

ラボ選びは難しいです。PIとだけ話していてはラボの雰囲気はわかりません。 PIがどれだけすばらしい業績をあげているからといって、人間的によい指導者とは限りません。PIが、博士の院生が博士号を取得できるようにどれだけ後押ししてくれるかが重要です。

NCBSのあるラボではPhD取得のお祝いにこのようなGraphic abstractのケーキが用意されていた
 

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