2010年11月16日火曜日

欧州への航路

戦後しばらくにいたるまで欧州に留学した多くの人は、神戸、横浜から船に乗り、シンガポール、インド洋、スエズ運河といくつもの海を航海し1ヶ月半をかけてマルセイユにたどり着いた。そして陸路でパリに入ったのである。

1957年に北回りの航空路が開設されたが、軍事上の理由でロシア上空を飛ぶことができず、アンカレッジ経由で北極回りだった。1983年に、空路を間 違ってロシアの空域に侵入した大韓航空機がソビエト軍機により撃墜された事件は衝撃的だった。ソビエトが崩壊した1990年代に入り、シベリア上空を飛ぶ 直行便の運行がようやく始まったのである。私が初めて欧州に行ったのはシベリア上空を飛べるようになった頃だった。

今日、欧州に行くには以下の5つの選択肢があります。

0. シベリア鉄道で1週間かけて(これで行った人も来た人も知人にいますよ)
1. 福岡からソウル・インチョン 大韓航空で欧州
2. 福岡から、香港、シンガポール経由 乗り継ぎ待ち時間がたっぷりある
(成田からドバイへのルートもあります)
3. 福岡から早朝便で成田へ 欧州へ JAL, ANAなど
4. 格安航空で数日かけて行く(たぶん5回ほど乗り継いで、関空-フィリピン------)

わたしはこれまで一度だけソウル経由でした。成田経由だと朝は5時には起きなければならず、夜遅くまで荷造りをしていると睡眠時間が短くなります。また、帰国時は成田から羽田までバス移動がほとんどで、夜遅くに福岡に着きます。このバス移動がいちばんきらいでした。

中部国際空港や関空発のパリ便を使うことも多かったのですがJALの経営難で廃止になりました。中部国際と福岡間のJAL便もなくなったのですから。中部国際空港発のパリ着は成田便よりも早く、各地への乗り継ぎにも便利でした。成田便の到着時間はラッシュ時に食い込み、空港からパリ市内への移動もたいへんです。

10月21日に羽田の国際線ターミナルがオープンしました。羽田発着になると欧州への旅程が一変します。一日の仕事を終えて空港に行けばよく、さらに現地に6:20に到着した朝から行動できます。体験してみないとわかりませんが、おそらく時差ぼけになりにくと思います。私は機上では一睡もできないたちですが、深夜発便では寝れないかと期待しています。帰路でパリ発朝11時というのも好都合です。起きてすぐに空港に向かえばいいわけですから。これまでは、午後の発時刻だったので、帰る日は中途半端な使い方しかできませんでした。また、羽田に朝到着するので、帰福してからラボにくることもできます。

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