2020年7月24日金曜日

バロック音楽のたのしみ

日曜日の朝8時からNHKで「音楽の泉」というクラシックの音楽番組があって、昔から時々聴いていました。その解説を30年以上も担当していたのが皆川達夫先生です。先生の語り口はとても明晰で優しく癒されました。その前には、NHK-FMで、早朝に毎日「バロック音楽のたのしみ」(1965-1985)を担当していて、それも若い頃に聴いていて、バロック音楽について多くを教えられました。朝に、皆川先生の静かな解説とバロックを聴く時間は、至福のときでした。その頃、NHK-FMは、放送試行期間で、他の番組でもただ音楽を流すだけの番組がほとんどでした。

ところが、今年の4月頃に「音楽の泉」を聴いたら、皆川さんが出ていなかったのです。先生の最後の番組は3月29日で、4月19日に92歳で亡くなられたことを知りました。亡くなる直前まで頭脳明晰に解説を語っておられたのです。3月29日の「音楽の泉」は再放送されていて聴きました。その日の曲は、バッハのシャコンヌで、最後に、先生からの簡潔なお別れの言葉がありました。
 
先生は立教大学を定年退官後、平戸の生月島のキリシタンが歌っていた「オラショ」(ラテン語で祈祷文)の原曲を7年間も探し求め、16世紀のイベリア半島で歌われていた聖歌であることを突き止めた発見は感動的です。

0 件のコメント: