2021年12月28日火曜日

Omicronの感染対策を考える

コロナの感染対策は状況によって臨機応変に変えていかなければならない。対策は国によっても異なる。毎回の感染波で拡大するウイルスの性質の違いを元にして考える必要がある。

ワクチン接種をした人の割合と年齢分布と接種のスピードも考慮しなければならない。また、ワクチンの種類によっても効果が異なる。
 

デルタ、オミクロンについてわかっているのは、ワクチンを2回接種しても感染して他人に感染させることを防止できない、つまり感染防止効果は弱いことである。つまり、ワクチンパスポートの感染予防の有効性は疑わしい。 3回目のブースター接種をすれば、抗体量はかなり上昇し、しばらくは感染予防効果が強いだろう。ワクチン接種後に抗体の産生は落ちてゆくが、どれだけの抗体量があれば感染防止の効果があるのかのデータはまだない。


しかし、感染しても
ワクチンは重症化を防ぐことができると考えられる。従って、デルタの感染時から、感染者が増えても死亡率はほとんどの国で以前と比べて大幅に低くなっている(下図)。オミクロン感染で重症化する率も低くなっている。これがオミクロンの性質によるのか、ワクチンの効果によるかはまだ断定できない。

後遺症についてもまだ判断できない。感染者の中の1-2割の人に後遺症があることが報告されている(感染して無症状であっても後遺症がある場合がある)。様々な後遺症は1年を経過しても改善が見られないという。ワクチン接種が後遺症にどのような影響があるかを知ることが重要である。


いずれにしても、感染重症化のハイリスクグループは、ワクチンを接種していない方、接種しても免疫が成立していない方である。日本のワクチン接種率が頭打ちになっており、全国民の80%にまでいっていないのが心配材料である。

これまでのように感染者数で対策を考えるのではなく、入院者数、重症数を基にして考えるべき時期に来ている。

新しい対策として、抗体がどれだけできているかの検査ができるようにするのが望ましい。オミクロンに対するワクチンを接種しても感染予防の効果がないのであれば、これまでのワクチンと変わらないことになるだろう。


                      欧州各国の人口あたりの感染者数(上)と死亡者数(下)。

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