2021年11月21日日曜日

いま日本のコロナが収束している理由

 

欧州で感染者が急増しています。日本、フランス、英国、ドイツ、米国のワクチン接種進行の上の曲線を見るとなぜ日本だけが感染を抑えられているかがわかります。

日本以外の国では接種率が60-70%ほどで減速し頭打ちになっていますが、日本は上昇を続けています。ある数理モデルによるとデルタ変異の場合、全国民の80%以上がワクチンを接種しないと集団免疫は達成できません。日本はそれに近づいているが他の国はまだそれを達成できそうにないです。

他の国でワクチン接種が進まないのは政治的背景があるからです。米国ではトランプ支持者が多い州ほど反ワクチン派が多くて接種が進んでいない。ドイツでは右派・極右政党のAfD支持が強い州ほど反ワクチン派が多い。一方、日本では同調圧が強いのが影響しているのでしょうか。

日本は接種の開始が他の国より随分と遅れて5月ころであるが他の国は2月には始まっています。日本のワクチン接種は短い期間に集中的に進んだ結果、今のところ感染が抑えられているのです。しかし、これは不幸中(第5波)の幸いであり一時的な安心です。

英国では行動制限を解除したことで感染が広がっています。日本は全員のマスクの着用を含めた対策が継続しているのも効いています。


ワクチンの感染予防効果は接種後3ヶ月後から徐々に減少し始めます。日本以外の国では接種が早く始まったので、その減少が始まりました。日本はこれからです。おそらく1月には次の波が出てくるでしょう。

 

今のうちに整えなければならないのは、PCR検査体制の拡充と病床の確保です。ワクチンで重症化は防がれており、抗体カクテルなどの治療薬が使えるので、8月にあった自宅待機(放置)の状況がなければ、マスク着用と換気に気をつければ、以前のような厳重な規制は必要がないと思われます。そして3回目のブースター接種の効率的な実施です。

体温測定と手指の消毒をすれば感染予防になるという誤った考えがいまだに蔓延していて、エアロゾルによる空気感染の対策に目がいっていない状況を一刻も打開する必要があります。

ただ未解決の問題は後遺症です。後遺症は感染者の中の一部で現れ、広範な病状があること、恢復するかがわかっていません。感染して無症状であっても後遺症があるというデータは恐ろしいです。ワクチン接種によっても後遺症を抑えることはできないようです。

欧州諸国の昨年からの感染者数(上)、死亡者数(した)の人口あたりの変化です。今年の夏以降、死亡者が少なくなっていることがわかります。一方、昨年の第1波で死亡率がいかに高かったかがわかります。

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