2021年2月4日木曜日

(7) マスクの効果について

昔、日本からの飛行機が欧州の空港に到着して日本人の団体が降りてくるとマスクをしている人が何人もいて異様な雰囲気だった。

 欧米で一人がマスクをして歩いていると、人々は避けて通るでしょう。なぜならマスクをしていることは、その人が危険な病原菌に冒されていることを意味するからです。なのでマクスをしている人は一人としていませんでした。

欧米人が日本に来て不思議に思って尋ねることの一つは、なぜ皆がマスクをしているのかでした。特にインフルが流行っていた季節はほとんどの人がマスクをしていました。マスクをする習慣があったのは、韓国、中国などでした。 

 

ところが今や、世界中の人がマスクをしています。おそらく初めてするマスクにはかなりの抵抗感があったと思います。マスクをすることは、人格の否定、弱さとも考えられました。実際、反マスクの集会、デモが欧米でありました。反マスクが左右の極端なイデオロギーとも結びついていたのです。また、マスクをすることによって感染は防げないという”科学的”な主張がなされた国もありました。日本でも”専門家”と言われる方が一時そう言っていました。

欧米では模様がある手作りの布マスクをしている人が多いです。たぶんそれは、衣服の感覚でマスクを着けているからでしょう。

さて、マスクをするのは、飛沫、エアロゾルをマスクでトラップして外に出さないためと同時に、他人の飛沫、エアロゾルを吸い込まないためです。その効率はマスクの材質と着装の仕方によって変わります。

今年になって感染力が強い英国の変異体のウイルスが問題になってきて、ドイツは医療用のN95/FFP2マスクの使用を義務づけることを決めました。最初はバイエルン州が決めたのですが、ドイツ全土で義務付けられ、スーパーなどの店、公共交通機関での着用が義務付けられました。違反すると約3万円の罰金まで設けています。フランス、オーストリアもそれに倣うようです。

ドイツでは、FFP2マスク6枚を2€で買えるチケットが各世帯に送られてきたり、生活困難者には無料で配布するそうです。 

 

現行の日本の濃厚接触者の奇妙な定義によると、感染者の近くにいてもマスクをしていたら接触者になりません。これは、FFP2マスクをしていれば正しいかも知れませんが、通常のマスクではエアロゾルを吸い込む可能性はあります。

日本では東京のすし詰め状態の電車で感染が起こっていないといわれています。しかし、通勤列車の車内で感染が起きたことを証明するのは困難です。車内に無症状の感染者がいたとします。その隣に長時間立っている人が、感染者のマスクから漏れ出た呼吸によるエアロゾルをマスクを通して吸い込む可能性があることは否定できません。車内で行われている換気による空気の流れがどのようになっているかがひとつの問題です。

感染経路が不明な人が半数近くいますが、通勤の車内、スーパーなどでの感染があるからでしょう。マスクの材質、正しくかけているかも問題です。呼吸、発声による生じるエアゾル量は個人差が多いようです。


 

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